ゴルフ会員権の基礎知識
ゴルフ会員権とは

ゴルフ会員権とは

ゴルフ会員権とは、ゴルフ場が独自に定めた会員制の利用権です。
大半は、その利用権を利用する事でビジターと比べて割安でプレーが可能で、メンバー優先枠での予約も可能としております。また、クラブが開催する競技会等への参加資格も得る事が出来ます。
ゴルフ会員権といっても会員制度が多種多様で、ゴルフプレーの目的に適した種類を選んでいただきたいです。

会員制ゴルフ倶楽部の分類

預託金会員制度

株式会社が会員に預託金証書を発行している倶楽部。
わが国ではこの制度のゴルフ倶楽部が最も多く、会員制ゴルフ倶楽部全体の約90%がこの方式です。
預託金(預り金)とする考え方は前述の通り、順次募集金額が上昇するなかでの差益を預り金とする税務上、課税の回避から考えられた発想で昭和35年頃始められたものです。
税制が生み出した或る意味で非常に優れた方法、方式であった、筈であったのです。しかしながら結果は昨今新聞、雑誌等で報じられているような無惨な結果となった倶楽部が多数見られます。
原因は余りにも便利にかつ安易に預託金を発行できる、この制度は無責任にそれを発行し杜撰な計画を助長させたのです。良薬の飲み過ぎと言っても過言ではありません。
また平成5年、”ゴルフ場等に係る会員契約の適正化に関する法律”が施行されましたが、この法律は会員の数を云々し規制するものでなく、その基本は会員に対しての情報公開、つまりディスクロージャーの精神が貫かれているのみで業界にとって決して厳しいものではありません。
預託金制度の特徴として倶楽部の会則、詳細等に於いて発行する前から第三者譲渡を明記し、譲渡については株券方式の倶楽部に比較して寛容であります。それは発行している預託金証書に、返還期日を明記し会則にも明記している以上、でき得る限り返還を譲渡による換金で回避したい会社側の思いがあるからです。
平成元年前後に計画した多くの倶楽部(会杜)が、約束した返還期日を迎えて苦慮している現状を考えると、殆どの倶楽部は同時に100名を越える返還請求に応じることは不可能と言わざるを得ないでしょう。
この問題に良薬はありませんが、預託金証書を発行した責任に於いて会社側は、その流通による換金を真剣に考えるべきでしょう。
いずれにせよ、前述の通り預託金制度のゴルフ会員権については確実で安全、かつ安定したマーケットによる流通換金が最良と思われますし又、譲渡による換金を宿命として発行されたことは、発行者も入会者も理解している筈ではないでしょうか。

預託金制度の主な倶楽部

戸塚カントリー倶楽部 / 平塚富士見カントリークラブ / 多摩カントリークラブ / 東京よみうりカントリークラブ / 桜ヶ丘カントリークラブ / 木曽駒高原カントリークラブ / 多治見カントリークラブ / 南山力ントリークラブ / 春日井力ントリークラブ / 京和カントリー倶楽部 / 知多カントリー倶楽部 / 名古屋グリーンカントリークラブ / 船橋カントリークラブ / 泉ヶ丘カントリークラブ / 小野東洋ゴルフ倶楽部 / 吉川カントリー倶楽部 / 鬼ノ城ゴルフ倶楽部 / 麻生飯塚ゴルフ倶楽部 / 佐賀カントリー倶楽部 / 大村湾力ントリー倶楽部 / 玉名カントリークラブ / 大分東急ゴルフクラブ / 沖縄力ントリークラブ

株式会員制度

株式会社組織のゴルフ倶楽部で、会員に株券を発行している倶楽部。
昭和30年頃より会員制ゴルフ倶楽部に対して、主務官庁は原則公益法人(社団・財団)の認可をしなくなりました。
ゴルフ業界は熟考の末株式会社を設立し、その会社の株式(株券)を会員に取得してもらい会員として認める方式に変更しました。(戦前の倶楽部でも二、三株式制度もありました)
これまでの非営利目的の公益法人のゴルフ倶楽部に対し営利目的の株式会社を設立させ同等の理念で会員制ゴルフ倶楽部"を設立し運営する発想に関係者は一寸矛盾と抵抗を感じっっ他に良策が見っからないままゴルフ界は会員制ゴルフ倶楽部に株券方式を導入しました。
方法として会員制ゴルフ場を経営、建設する会社を設立させその会社の株券を会員に取得させることによって会員の資格を与える。 倶楽部は非営利の任意団体として運営に当たる。 こうした株券方式のゴルフ倶楽部は昭和36年頃まで続きました。
当初考えられた株券は、普通額面のもので、その後無額面株式と呼ばれるものが発行されるようになり、株券の表示が金額の変わりに壱株券とか四株券とかの表示で各々倶楽部、会社の会則等によって決められた株数を会員に取得させ資格を与えたもので、三年程続きましたがその後額面式の普通株券を会員に発行する方式も多くなりました。
いずれの方式であっても会員募集する時、業界の習慣によって第1回目の募集金額と第2回目、第3回目では各々募集金額が上昇してゆく方法が普通であり、それによって金額の差による差益が生じる訳です。
例えば第1回目の募集金額が30万円とし、30万円の株券が入会者に渡る時は問題はありませんが、第2回目で50万円となった場合、その差20万円について会社側はそれをプレミアムとして利益計上する会社と、プレミアムの20万円を預り金として経理処理することによって課税を回避する会社に分かれました。 当然、会社は後者の非課税方式を採用するものが多くなり、これが業界の常識習慣になったのです。
この課税を回避する「預り金」とする経理処理が、現在わが国の殆どの会員制ゴルフ倶楽部が採用している預託金制会員制度の濫膓となったのです。 また株式会員制ではありますが、土地等の資産を所有する開発会社の株式は会員に所有させず、完成した施設を借り受け倶楽部運営をする会社を別に設立し、その会社の株式を会員に所有させるとした、言わば二重国「の倶楽部もその後生まれました。
こうした株券方式のゴルフ会員権の譲渡について述べますと、株式制度として支障なくコースも完成、順調に倶楽部は滑り出したものの公益法人の会則、詳細等を殆ど踏襲してつくられた結果の矛盾点がみられるようになり、最も重要な問題としては会員の所有している株券の譲渡、退会についてどう扱うかの問題であります。 終身会員制を旨としている公益法人と違い会員に有価証券である株券を所有させているため第三者に対する譲渡について否定する訳にもゆかず、理事会は倶楽部の終身制の理念は守りたしで会社側は苦慮した結果、倶楽部は終身会員制度を旨としているてまえどうしても株券を第三者に譲渡し退会を希望するのであれば倶楽部に相応のペナルティを払うことによって中途退会を認めようとの理事会決議がなされたのです。
退会する者は高額なペナルティを倶楽部に払うことが義務付けされたのです。 こうした発想が、のちのゴルフ業界に残る高額なペナルティである名義書換料として定着したのです。
現在ではそれが逆転して退会者でなく、新しく入会する側が名義書換料なる高額なペナルティを会社に支払いし入会しているのは、当時の会員権の需給バランスによるもので、譲渡し退会する側のペナルティを譲受し入会する側が変わって、支払いする習慣に変わった結果なのです。

株式会員制度の主な倶楽部

小金井カントリー倶楽部 / 中山カントリークラブ / 青梅ゴルフ倶楽部 / 相模原ゴルフクラブ / 宇都宮カンツリークラブ / 武蔵野ゴルフクラブ / 名古屋ゴルフ倶楽部 / 三好カントリー倶楽部 / 岐阜カンツリー倶楽部 / 四日市力ンツリー倶楽部 / 桑名カントリー倶楽部 / 大阪ゴルフクラブ / 城陽力ントリー倶楽部 / 花屋敷ゴルフ倶楽部 / 奈良国際ゴルフ倶楽部 / 古賀ゴルフ・クラブ / 小倉カントリー倶楽部 / 福岡力ンツリー倶楽部 / 長崎空港カントリー倶楽部

公益法人(社団法人・財団法人)のゴルフ倶楽部。
わが国の公益法人(社団・財団)の会員制ゴルフ倶楽部は、殆どが戦前に設立されたもので社団法人制であります。戦後に於いても昭和30年頃まで認可されたケースもありますが極くわずかで、その後原則公益法人のゴルフ倶楽部は認可されていません。
わが国に初めてゴルフコースが造られたのが明治34年、神戸在住の英国人アーサー・グルーム氏が中心となって神戸の六甲山に4ホールが完成、その後9ホールとなり神戸ゴルフ倶楽部が創立されました。
以後、北は北海道から南は九州に至るまでに約40ヶ所程のゴルフコース、ゴルフ倶楽部が生まれました。
当時はゴルフ人口も稀少で、ゴルフを社会に広める目的を持ちつつ、ゴルフ愛好の士が集って組織されたゴルフ倶楽部は当然利益を生むとした発想は皆無で、民法の規定に基づく公益法人の設立をゴルフ倶楽部に対して、主務官庁(ゴルフ倶楽部は文部省)は認可したのです。
公益法人制度のゴルフ倶楽部は、会員が社団法人の社員として自主的にゴルフ倶楽部の施設の運営を行う形態のもので、それを実行するための機関として社員総会(会員総会)に於ける予算、決算の承認、定穀等の変更決議、業務執行を行う理事を社員から選出、理事会を構成する等、社員の自主運営に必要な費用については総て社員(会員)が公平に負担、入会資格は総て個人に限り終身会員制としたものが殆どであります。
しかしその後、稀に細則等を変更し法人会員制度を導入、法人・個人に限らず会員の資格の変更(相続・譲渡)を認めるようになった倶楽部もありますが殆どの倶楽部は一代限りの終身会員制度であります。
従って会員(社員)としての資格の相続・譲渡は不可でありその会員権の金銭的な価値はありません。
国税局もこうしたプレー権利のみの会員権に対しては金銭的評価はしない旨の通達を出しています。
また、株式会社を併存させ資産を株式会社が所有し、社団法人に施設を賃貸している制度の倶楽部もあります。公益法人制度のゴルフ倶楽部について要約すれば、ゴルフ愛好の士がゴルフのプレーと互いの親睦を目的に集い、必要な費用は公平に会員が負担し、終身会員を貫くことによって倶楽部への愛着、責任、貢献の精神が生まれるとした倶楽部発祥の地であるスコットランドの元始思想を踏襲した組織とみるべきでしょう。当然非営利でありこうした倶楽部は全国で約40ヶ所程あります。
以上、社団法人のゴルフ会員権については、二、三の例外は別として金銭的価値はありません。
今後政府も特殊法人の見直しの一環として杜団法人による会員制ゴルフ倶楽部についても検討しているようです。

公益法人の主な倶楽部

程ヶ谷カントリー倶楽部 / 霞ヶ関カンツリー倶楽部 / 東京ゴルフ倶楽部 / 相模カンツリー倶楽部 / 札幌ゴルフ倶楽部 / 茨木カンツリー倶楽部 / 鳴尾ゴルフ倶楽部 / 鷹之台カンツリー倶楽部 / 周南カントリー倶楽部 / 愛知カンツリー倶楽部 / 我孫子ゴルフ倶楽部 / 宝塚ゴルフ倶楽部 / 広島ゴルフ倶楽部 / 芦屋カンツリー倶楽部 / 西宮カントリー倶楽部 / 門司ゴルフ倶楽部 / 若松ゴルフ倶楽部 / 下関ゴルフ倶楽部 / 山ロカンツリー倶楽部

ゴルフ会員権の歴史

ゴルフ会員権流通のはじまり

会員制ゴルフ倶楽部の権利を第三者に譲渡する概念は戦後であります。
戦前から昭和30年頃まで主務官庁は、会員制ゴルフ倶楽部を非営利事業と見なし社団法人の認可をしていましたがその後原則認可しなくなりました。
ゴルフ業界はやむなく営利事業の株式会社を設立、会員はその会社の株式を取得することを条件に倶楽部に入会できるとした、いわゆる株主会員制度を採用、昭和37年頃までそれは続きました。
その後、知恵者が税制を旨く利用した「預り金」の会員制度を考案した結果、昭和38年頃を境にこの便利な預り金制度のゴルフ倶楽部は、その後全国に広がりゴルフ倶楽部は預り金制度一辺倒となって今日まで続いているのです。
これ等株主会員、預り金会員制度は戦前の社団法人制度の終身会員を旨とする制度と違い、その権利を第三者に譲渡できる方式を採用した結果、その権利譲渡は昭和34年頃から自然発生的にゴルフ場関係者、 ゴルフジャーナリスト、プロゴルファー、等々の情報によって売買が成約していったのであります。
昭和36年、当時のアサヒゴルフ社長中島宏氏が、日本初のゴルフ会員権流通市場の売買を検討したものの、法的な問題もあり沙汰止みとなったが、再度検討した結果 マーケットとする発想ではなくて取り次ぎ、斡旋の形で出発することになり、
名古屋では中西弘安氏(現日本ゴルフ同友会 会長)、大阪では井上義朗氏、東京では福島幸市が担当し、三ヶ所にゴルフサービスセンターの名称で斡旋所が開設されたのがゴルフ会員権流通の濫膓であり、わが国で始めて生れたゴルフ会員権取引の斡旋所であります。

会員権の売買取引とは

ゴルフ会員権の売買取引は昭和35年頃自然発生的に生まれ、それを生業とする会社が誕生したのが昭和37年前後であります。
現在では生業とする会社、個人併せて全国北は北海道から南は沖縄までに約500社が営業を続けて、それぞれ各地区に取引業者が協同組合を設立し情報交換、親睦等を行っています。
対象とするゴルフ倶楽部は全国で約2,220ヶ所、それ等の倶楽部が発行しているゴルフ会員権枚数は約300万枚、その内会員権売買可能倶楽部は約1,900ヶ所、会員権枚数約260万枚、一年間に売買又は他の理由によって、名義が変更され権利移動する会員権は全国平均約4.3%(株式会社日本ゴルフ同友会調べ)、約111,800枚、概算で11万枚となり金額に換算すれば莫大な数字となり大変に大きな市場となっています。
現在何らかの理由によって売買、譲渡を禁止している倶楽部もいずれの時期に認めなければならない点また、預託金制会員権の返還が非常に困難な倶楽部は会員権の流通に頼るしか方策がない実状を考えると、 将来ゴルフ会員権市場は対象のゴルフ倶楽部、約2,500ヶ所、会員権口数約330万口、の膨大な市場となる事は間違いありません。
日本ゴルフ同友会はその信頼に応えたゴルフ会員権の斡旋には、絶対の自信を持っております。お取引後の完全サポート体制が、お取引されたお客様からの信頼となり、おかげを持ちまして多くの実績を築いております。

ゴルフ会員権相場が作られる仕組み

前述のゴルフ会員権業者に於ける取引実体は各地区の協同組合又は、業者間通信ジェネットのネットサービスを会員権業者は毎日利用して他業者の情報を見、自社の情報を入力しつつ各々業者間の取引をすすめてゆくとした順序で商いをしています。
現在のところ、業者間に於ける情報交換はこのネットサービスが中心となっており、このネットが広義に解釈すれば会員権市場とみるべきものでしょう。
各業者はこの方法によって得られた情報を、一般顧客に流しながら取引の成約に結びつけているのです。
また新聞、雑誌、ダイレクトメール、電話による勧誘等々による情報収集で取引成約を、営業方針としている業者もありますが、会員権業界間の市場と呼べるものは前記のコンピュータによるネットサービス以外存在しないのが実状であります。
将来に於いて、会員権の発行元であるところのゴルフ倶楽部、会員権取引業者、行政が一体となって半公的な市場を構築する必要もありましょうが、現在のところ当分それは不可能であります。

ゴルフ会員権の実態と今後の展望

倶楽部の発行している預託金証書を見ればいずれも、立派な証書でその姿、形は株券と殆ど変わるものではなく当然、流通形態も有価証券と同質に考えられがちでありますが、業者とのやり取りは異質で実状は古物商に近いものです。
幸い、と申しますか時宜を得たと表現すべきか、今度のゴルフ会員権の時価評価はゴルフ業界にとってフォローの風と考えるべきでしょう。
会員権の発行元であるゴルフ倶楽部の経営者は、発行責任に於いてその流通、価格、換金の問題を真剣に考える絶好の機会と受け止めなければならないのではないでしょうか。
発行、発売はしたけれど換金、譲渡についてその会則なり細則で、明確に規定されてはいるものの、流通価格については他人任せでは会員は逃げ場がないのが実状です。
今一番大切なことは、発行元の倶楽部と会員権業者が一体となって真剣に、会員権の流通について議論し、会員の納得する換金方法を考えるべきでしょう。
またその価格についても発行元も慎重な対応をすべきであり、でき得るかぎり安定した価格の維持に協力すべきであります。
今後は、これまで以上に会員権価格が倶楽部の評価に繋がり、特に企業は自社の所有している会員権価格の評価について、注目していかざるを得ないのではないでしょうか。
ゴルフ会員権流通の歴史はまだ浅く、特定の人々を対象とする特異な商品だけに、狭義な意味での市場作りは仮に不可能しても、社会が認知するクリーンな取引制度を業界で考えることは可能です。
いずれにせよ前記の通りわが国には約300万枚の会員権を法人又は個人が所有しています。 業界はこの問題をもう少し重要課題として検討し対策を考えるべきではないでしょうか。

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